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平野 憲一:日経平均株価2万2500円の「壁」は厚くない 2019年「セル・イン・メイ」は当てはまらない?

昨年12月の相場で売った「空売り筋」は、その後「不安の中をよじ登る」型の相場だったため、明確な踏み上げ(買い戻し)のタイミングがつかめていない。そのため、エネルギーは溜まったままで、絶対期日である6月を迎える。それらを考えると、この時期話題になる「セル・イン・メイ」は今年においては当てはまらないのではないか。

上値の抵抗帯もすでにない。上値の抵抗力に使われる「価格帯別出来高」だが、一般投資家が使う昨年初めからの計算では2万2500円に大きな抵抗帯が見える。しかし高値を付けた昨年10月を起点とする「価格帯別出来高」では、2万2500円は薄い雲に過ぎない。

現在の日本株は、寄り付きは欧米の株価次第(従って、マドあけスタートが多くなる)、中盤は上海総合指数や香港ハンセン指数を見ながら、終盤は日銀のETF(上場投資信託)買い動向で決まる日々となっている。まったく情けない状態だが、NY株が再度史上最高値を取り、上値方向に動いたらどうするのか。

もちろん不安もないわけではない。5Gの本命と見られたアンリツの今期予想が大幅減益で、こうした予想に市場は戸惑っており、中心テーマである5Gに対して、再構築しなければならなくなった。それでも3月の建設受注が前年同月比68.9%の増加を記録。4兆1052億円となり、1992年3月の4兆3000億円に迫った。平成の約30年間はバブルの後処理、真性デフレとの戦いだった。令和時代は新しいスタートラインに立ったと言える。今の「改元フィーバー」は、世界中で唯一日本人にしか分からない感覚だ。日本市場の自主性に期待したい。以上を勘案、今週の日経平均予想レンジは2万2200円~2万2800円とする。

 

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