アマとプロの違い

逆神株式評論家を探すブログ

大荒れ相場? いえ、これって“普通”です。

「金融市場は混乱が周期的に来るものだ」ということです。そりゃそうだろう、と思われますか? でも、そうだろう、と頭では分かっていても、大波に揺さぶられながら、「お、来たね」と冷静でいられる人はあまりいません。市場の波にさらわれないためにも、「なぜマーケットは荒れるのか」そのメカニズムについて、納得しておいたほうがいいんじゃないでしょうか。今回はその話をしましょう。

 

だいたい日経平均で30%ぐらい、個別銘柄にすると4割ぐらい、年間のボラティリティー、上下の変動があるわけです。ご自身の予想と比べていかがでしょうか。「案外大きいんだな」と思われませんか?

 

そもそも、なぜ大きく変動するのか。理由は、市場参加者の構成にあります。

まず「“その日”売買をする人」。

昨年に売買されているトヨタの株式数の平均は、全体の0.26%でした。株主数に乗じると、1250人ぐらいになります。

 

1%以下の株主が決めた値段で株が売られ、それが“その日”の株価になるわけです。一方、残りの99%、株主なんですけれどその日は何もしない人は、他人の付けた値段で自分の損益が決まる「利害関係者」になります。

 そして、まったくトヨタと関係ない投資家。トヨタ株を持ってないけどその値動きを見ている人。私は「傍観者」と呼んでいますけれども、まあ観客ですね。市場参加者を、この3種類に分けて見ると、株式市場というゲームの参加者がよく見えてきます。

パニックが株価を動かす。だから、「株価というのは行き過ぎるんだ」というのが私の持論です。繰り返しになりますが、株価を付けるのは株主のせいぜい1割。個別銘柄ならば1%以下。市場参加者の中の本当にわずかな人たちが株価に影響を及ぼすわけです。その中には、オーバーリアクションする人が絶対いる。そういった人が、高いにしても安いにしても、行き過ぎた株価を付けるわけですね。

 

先ほどお話しした考え方を当てはめて言えば、日本株市場では、外国人投資家が上値にしろ下値にしろ行き過ぎた株価を作る張本人なのです。

日経平均は近年まれに見る大幅な下落に見舞われました。原稿執筆時には一時日経平均で1万5000円を割るところまで売り込まれています。

これから発表される、2016年3月期の企業収益も円高の影響で弱いことが予想され、5月に出てくる企業の2017年3月期の業績予想も減益予想が多くなることは想像に難くありません。よって、機関投資家はなかなか買い向かう理由が見当たらないと思います。

 確かに、円高によって日本企業の2017年3月期の業績はいったん減益を織り込まざるを得なくなると思います。しかし、仮に10%減益という大きめの減益を計算に入れたとしても、現在の株価は日経平均で15倍、TOPIXで13倍程度と過去に外国人投資家が「日本企業の覚醒」と言って買っていた17-19倍のPERよりもかなり低いのです。2016年3月期に大きな減損などで減益になっている会社の中から、2017年3月期の業績リバウントが期待できる銘柄を選んで腰を据えて投資する良いチャンスではないか、と考えています。

 

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